
初級編に続き、英語の曲を歌う時に気をつけるべきポイント
母音編ということでお話したいと思います。
母音編は英語の母音改善に集中してお話したいと思います。
この記事に書いたポイントを1つずつ意識してやっていくだけで、確実にあなたの歌う英語曲はカッコよくなります。
英語の曲をカッコよく歌いたい人、英語の曲を歌ってモテたい人はぜひ参考にしてください。
本記事の内容
プロシンガーとして、ビートルズのような英語曲を歌うお仕事をして約15年、ネットラジオやYoutubeの収録も合わせると、演奏しない日はない。NHKの「クローズアップ現代」にも出演し、ジョン・レノンの弾き語りもさせてもらった。そんなトミーがお話していきます。
洋楽を歌うコツは母音の改善にあり
よく英会話で発音の練習を教える時に、英語の子音が持つ特徴の方が強調されます。
確かに日本語より強いので、語の輪郭がはっきりします。
それと、LとRやBとVなどの、日本人にとって区別しにくい子音の区別に関しても強調されがちです。
もちろん子音も母音も両方大事なんですが、「歌う」ということに関して優先順位をつけるならば、母音の改善が優先ということになります。
洋楽を歌うコツ、歌声を構成するのは母音が9割
これは洋楽で英語を歌う時でも、邦楽を日本語で歌う時でも言えることですが
歌声を構成している大半が母音になります。
別記事でも母音を少し改善するだけで、歌が良くなるのはお話しました。
つまり、子音を改善するより母音を改善するほうが、カッコいい英語の歌に近づけやすいということですね。

英語の母音を改善するための6つのポイントです。
2.英語のオウをなんでもかんでもオーと発音しないようにしよう
3.長いイーと短いイは、ただ長さが違うだけではない
4.長いウーと短いウは、ただ長さが違うだけではない
5.二重母音は日本語のように、母音を2つ並べたものではない
6.英語のスペルにだまされないようにしよう
洋楽を歌うコツ、母音改善6つのポイント
英語を歌う場合、日本語で使う母音の数と英語で使う母音の数が全然違います。
日本語は「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つしかありませんが、英語では二重母音、三重母音も含めると何十種類にもなってしまいます。
全ての母音をいっきに改善しようとすると大変ですが、次の6つのポイントと初級編で紹介したポイントを押さえれば大丈夫です。
1.ア系はまず3種類で歌い分けよう
まず日本語でいう「ア」にあたる母音ですが、英語には
/æ/ と /ʌ/ と /ɑː/ という発音記号で表される音があるので、これを歌いわけましょう。
/ʌ/ の発音のコツは、あまり口を開けず、若干「オ」よりの暗い「ア」の音という意識で発音しましょう。イギリス英語ではほぼ日本語の「ア」に近い音なので、最初のうちは日本語の「ア」で代用するのでもかまいません。
come, cut の音です。
/æ/ の発音のコツは、口を横に引いて口角を上げ、ピエロのような口を意識しながら、口の形は「エ」なのに「ア」と音を出すような意識で発音しましょう。
back, stand の音です。
最後の /ɑ/ は英語の中で最も口を大きく開けて発音する音です。
顎を下げ、口を大きく開けて、喉の奥の上の柔らかい部分(軟口蓋といいます)の辺りで音を出す意識でハッキリ「ア」/ɑː/ の場合は「アー」と発音しましょう。
father, God の音です。
2.英語のオウをなんでもかんでもオーと発音しないようにしよう
不思議なことに日本語では、象、王様、脳、当日・・・のような言葉の「オウ」にあたる部分を「オー」と発音することがほとんどです。
表記上は「ぞう」「おうさま」「のう」「とうじつ」なのに音は「ぞー」「おーさま」「のー」「とーじつ」って言いますよね。
この日本語のクセのおかげで、英語を読んだり歌う時も「オウ」の音を「オー」にしてしまいがちです。
/oʊ/ で表される英語の「オウ」は
know, go, so, home, show といった単語の音で、これを
「ノー」「ゴー」「ソー」「ホーム」「ショー」
のように発音しないよう気をつけましょう。
/oʊ/ の発音のコツは、後に説明する二重母音なので、最初の「オ」にあたる部分は日本語の「オ」でOK
その「オ」を気持ち長めに発音した後、口を元の形に戻しながら弱めに「ウ」を添える意識で発音するとよいでしょう。
それに対し、/ɔː/ で表される「オー」は
all, talk, saw, thought といった単語の音です。
/ɔː/ 発音のコツは、日本語の「オー」よりも口を丸めて舌を下げ、喉の入口あたりで音を出す意識でやると近くなります。
3.長いイーと短いイは、ただ長さが違うだけではない
日本語では母音を伸ばす時と伸ばさない時で、はっきり音が変わるという現象がないので、これもあまり意識していない人が多いと思います。
英語には長母音と短母音があり、長母音は緊張して硬い音、短母音は緩くて柔らかい音と表現できます。
英語の発音でよく言われる、ship と sheep の違いが代表的なものです。
歌詞の中に「イ」が出てきたら、短母音の /ɪ/ なのか 長母音の /iː/ なのか、明確に区別するようにしましょう。
発音のコツは、長母音 /iː/ は日本語の「イー」をもっと口唇を横に広げ、緊張した硬い音を出す意識で発音しましょう。
逆に短母音の /ɪ/ は極力口に力を入れず、「イー」と言いながら徐々に「エ」にしていく段階の中間くらいの曖昧な音になります。
shipとsheep意外にも
sitとseat
itとeat
でその違いを練習しましょう。
4.長いウーと短いウは、ただ長さが違うだけではない
前項「イ」の長母音と短母音と同じ事が「ウ」にも言えます。
理屈は「イ」と同じで、/uː/ で表される長母音「ウー」は、日本語の「ウ」よりも口を丸めて突き出す、初級編でやった w と同じ感じで発音しましょう。
短母音の /ʊ/(/u/ と表記されてる場合もあり)は日本語の「ウ」よりも口は丸めますが、長母音よりも口唇は緩い感じで、「ウ」と「オ」の中間くらいのあいまいな音で発音しましょう。
tookとtwo
footとfood
で2つの音の違いがわかります。
5.二重母音は日本語のように、母音を2つ並べたものではない
2.で二重母音の /oʊ/ が出てきましたが、二重母音は日本語の「愛」「英語」「会う」のように母音を2つ並べたという意識で発音してはいけません。
ワンセット、1つの母音なんだという意識で、最初の音はハッキリ強く、その後の音は口の形がもとに戻る時に自然に出てしまった、添えるくらいの意識で弱く発音するのが二重母音のコツです。
- /eɪ/ 「エイ」
- /aɪ/ 「アイ」
- /aʊ/ 「アウ」
- /oʊ/ 「オウ」
- /ɔɪ/ 「オイ」
6.英語のスペルにだまされないようにしよう
英語は日本語と違い、というかフランス語やスペイン語、イタリア語とも違い、スペルから発音を推測するのが、ルールはあるのですが難しい言葉です。
例えば、understandの頭の u と put の u は同じスペルなのに音が違うという感じです。
understandを「ウンダスタンド」と発音する人はほとんどいないでしょうけど、気をつけないとだまされている単語も結構あります。
例えば、office の頭の o はアメリカ英語では「アーフィス」に近い音です。
ultra も「アルトラ」で、全然「ウルトラ」ではありません。
sayの三人称単数 says も「セイズ」と間違って発音している人もいますが、「セズ」です。
このように英詞のスペルにだまされることが多々ありますので、慣れないうちは辞書やネットで確認するクセをつけたほうがいいでしょう。
まとめ:洋楽を歌うコツ母音編 母音であなたの英語の歌は変わる
洋楽を歌うコツの母音編ということで、6つのポイントを解説しましたが、いかがだったでしょうか。
これもなかなか一気に全部は難しいので、できそうなものから1つずつ意識して、歌の中に取り入れていきましょう。
最後にもう一度6つのポイントを繰り返しておきます。
2.英語のオウをなんでもかんでもオーと発音しないようにしよう
3.長いイーと短いイは、ただ長さが違うだけではない
4.長いウーと短いウは、ただ長さが違うだけではない
5.二重母音は日本語のように、母音を2つ並べたものではない
6.英語のスペルにだまされないようにしよう

日本語の母音たった5種類で英語を歌っていた人は、母音を改善するとたちまち英語の歌がカッコよくなるので、頑張っていきましょう!
洋楽の英語をうまく歌うためのコツ7つ入門編も参考にしてください。
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